それはある日突然起きた。
「お、シル。元気か?」
「あ、白さん。こんなところへ何か用ですか?」
ここは帝国の薔薇園。
管理しているのはシルレイズだ。
「敦盛に渡せそうな薔薇があれば欲しいのだが・・・。」
「あ、そういうことならいいですよ。」
「ありがとう!どれなら大丈夫だ?」
「この真っ赤な薔薇とか・・・
あ、マスターならこのピンクの薔薇でもいいじゃないですか?」
「おお!そうかw」
そんな感じで二人は薔薇を探していた。
しかし突然、異変は起きた。
「にしても薔薇って独特なにおいなんだな・・・w」
「ええそりゃあ・・・ってなんだ?このにおい・・・?!」
「へ?薔薇じゃないのか・・・?」
「コレは薔薇の匂いでは・・・な・・・い・・は・・。」
「シル?!どうし・・・た・・・ん・・・・だ・・・。」
突然の薔薇園の異臭。
嗅いでしまった二人は薔薇園に倒れこんでしまった・・・。
数分後・・・・。
「んんん・・・一体なんだったんだ・・・。」
「さっきのは薔薇のにおいじゃないはずですよ・・・」
「そうだったのか・・・・ってあれ?シル。お前そんな声だったか?俺みたいだな・・・。」
「白さんこそ・・・俺みたいな声じゃないですか・・・。」
「って・・・お前」
「・・・!白さん!」
二人は目が覚めた。
が、相手を見て二人は驚愕した。
「「俺だ・・・。」」
そう。
お互いの外見と中身が入れ替わっていた・・・。
「えっとこれは入れ替わってしまったのか?!」
「どうして?」
「もしかしてあのにおいか・・・?」
「あ・・・。」
「「においの元を探すんだ!!」」
数時間後・・・。
見つからず途方にくれる2人・・・。
「はっ、しまった!敦盛に花を届けなければ!」
「俺もそろそろ神姫の部屋のセッティングの時間が・・・。」
「だけど、この姿じゃおかしいよな・・・。」
「しょうがない。また時間が空くまで・・・」
「「お互い、頑張るしかないな・・・。」」
―
「せんせーいwシルからお花もらえた?」
「あ・・ああ貰ってきたぞ。」
白幡inシルレイズ。
薔薇を抱えて執務室に。
「あれ?先生どうしたんですか?」
「な、何がだ?」
「なんか・・・今日はおとなしいというか別人に見える気が・・・」
「そ、そんなことはないぞ!!うん!」
あわてるシルレイズ。
しかし、いつもの白幡をやらなければいけない。
「いいや、気のせいだ!俺はいつもの俺だ。そうだろ、敦盛w」
「で、ですよね!」
(しかし・・・白幡のアレをやるの・・・か。)
白幡のアレはシルには到底出来ない・・・が。
「ああああ敦盛っ!」
「にょ?!」
白幡(inシルレイズ)は勢いよく敦盛に飛び掛った!
「にょー?!先生っ!どうしたんですか?!」
「す・・・すまん・・。」
「め、めずらしく積極的ですね・・・w」
「き、気のせいだ!」
「む・・・。そうだ!じゃあまたおやつの時間にしましょうかw」
「ん?仕事は・・・?」
「先生ったらやだなwいつも一緒にサボってるじゃないですかw」
「さぼ・・・・?」
そのとき、シルレイズの中の何かが切れた。
「マスターっ!」
「ひっ?!な・・・なんですか・・・?」(ビクビク
「そこに座れ!!」
「ええええ?!」
―
(・・・あっちは本当に大丈夫なのか・・・?
今、敦盛の悲鳴が聴こえたような・・・。)
シルレイズIn白幡。
現在神姫の部屋の前で迷い中。
(大丈夫、大丈夫だ。
シルだろ。いつもの俺で行けば大丈夫だ!)
がちゃ
「神姫―」
「あ、シルw今日は遅かったね。」
「ちょっと白幡が薔薇を分けてくれって来たからな・・・。」
「そうだったのね〜。どうだった?薔薇園。」
「あ、ああ。蕾が出来始めた薔薇もあったぞ。」
(よ、よし雰囲気はコレで大丈夫だな・・・・)
なんて安心した白幡。
が、甘かった。
「あ、それってもしかしてこの前言ってたロサ・ポミフェラ?」
「ポ・・?」
「シル、とても大切にしていたよね〜。そうか蕾か〜。」
「あ、ああ・・。」
「で、先生には何の薔薇上げたの?」
「ああ、赤い薔薇をな・・・」
「あ、マリアンディールが素晴らしかったって言ってたよねw
あげちゃってよかったの?」
「あ、ああ(マリ・・・?)」
「でもあちゅってどっちかというとピンク系統が似合いそうだけどな〜
あ、じゃあ今度プリンセスドゥモナコとかあげられないかな?w
あと先生って白いからメモアーが似合いそうだよねw」
「そうだな、じゃあ今度渡そうか。(プリ・・・?メモ・・・?)」
「あ、そういえば私が好きって言ったジュニアミスはどうだった?咲きそう?」
(ジュ・・・?!)
前途多難な白幡であった。
―
意味不明な薔薇話をしつつ部屋のセッティング終了。
「あ、そろそろ昼食の時間だな。」
「そうだねw」
「じゃ、じゃあ俺は準備してくるから・・・」
「あれ?今日はシルが作るの?」
「あ、いや心配だから確認してくる・・・。」
「いってらっしゃーいw」
-
「あ、逃げるなよ?」
「はいはいw」
がちゃ
「・・・。シル・・・今日は何か変な気がしたにゃ〜・・・。」
―
「ふぅ〜・・・」
(いや、もう疲れたな・・・。
シル・・・すごいな・・うん)
「にょ〜!!」
「ぬ!この声は敦盛!」
近づいてみると敦盛が空途、七種に泣きついていた。
「あ、いけない。俺今シルだった。。」
ふと気付き柱に隠れて様子を見ることにした白幡。
「ひっく・・・先生が・・・先生が・・」
「あつんと先生が喧嘩するなんて珍しいね・・・w」
「どうしたんですか?!」
「おやつの時間にしようとしたら先生が説教し始めたの・・・!」
「へ?!めずらしい・・・てかサボるな!」
「ですね・・・。どうして怒ったんっすか?」
「分からない・・・でもいいもん・・・!暫く先生と口利かないっ!!」
(ガーン!)
白幡のSPに500のダメージ!!
「ちちちちちがうんだぁーーー敦盛ぃーーーー!!!!」
「し、シル?!」
白幡は自分の姿がシルレイズという事を忘れ敦盛に抱きついた!
「違うんだ!あれは俺がやったんじゃない!
頼む、口を利かないなんていわないでくれぇーーー!!」
「ちょ・・・!シルどうしたの?!」
「シルさんって・・・」
「・・・今日は先生みたいに見える・・・。」
「(はっ!しまった!)あ、スススススマン!じゃないごめん!」
「シル・・・。」
「ってこの声は・・・!」
ちょうど通りかかった神姫さん。
「もしかして・・・見てたか?」
「えっとその・・・シル・・・。」
「・・・?」
「しばらく部屋に来なくていいからっ!!」
そう叫んで神姫は走っていってしまった・・・。
「(やばい・・・シルに叱られるかも・・・)ま、待ってくれ神姫!!」
「・・・何やってるんだ・・・?」
「シシシシシシシルっ!!」
「?何を言ってるんだ?シル。
ちょっと薔薇園来てくれないか・・・?(笑顔)」
「う・・・す、すまん・・・。」
黒い微笑みの白幡(シルレイズ)に叶うはずも無いシルレイズ(白幡)・・・。
―
「シル?先生?」
「二人とも・・・なんか性格180度回転してない・・・?」
「そ、そうっすねぇ・・・」
「まるで二人が入れ替わったみたいな・・・。」
「にょ?まさか・・・。霧姫じゃああるまいし。」
「あ!もしかして実験台にされたりw」
「Σ!き、きききききき霧姫ぇーーー!!!」
「マ、マスター落ち着いてくださいっ!!」
「そ、そうだよ!まだそうと決まってないんだし!」
「帝国全員で霧姫を探すにょ!!!!」
((だからまだ決まったわけじゃないってば(っすよ)・・・・。))
―
In薔薇園
「全く・・・白さんはもうちょっと落ち着いてくださいよ・・・。
まず、俺の体ってことを忘れないでください。一体どうしたんですか?」
「どうしたじゃない!何で敦盛に説教をしたんだ!俺の身体で!」
「それは白さんたちがサボってるなんて俺が知らなかったからですよ。」
「う・・・。」
「第一白さん!
副マスターである貴方がどうしてマスターと堂々と仕事をサボるんですか?!」
「夜に・・・夜にやっているb」
「仕事はしっかり時間通りにやってください!」
「そんな事言ったって・・・ん?」
「話を逸らさないでください。」
「違う!シル!このにおい!」
「!コレは!」
薔薇園でかいだ香り。
「行くぞシル!」
「ああ!」
―
「おかしいな・・・この辺からにおいがした気がしたのだが・・・。」
「って白さん・・ここって・・。」
今二人がいる場所は食堂。
「においが似てたから間違えたのか・・・。」
「いや、でも今まだここの食堂は使われてませんよね?」
「あ、確かに・・・ん?コレは・・・」
机の上。
〜
シルと先生へ
今日もお疲れ様でした。
あ、先生ちゃんとあちゅに謝ってくださいね?
シルも今日は一体どうしたの?
あんなシル初めて見たから驚いて逃げてしまったけど・・・ごめんなさい。
お詫びというほどじゃないけど
コレでも飲んで頑張ってねw
神姫より
〜
というメモと2本の栄養ドリンクが置いてあった。
「神姫・・・俺にまで・・・。てかよかったなシルw」
「・・・全部白さんのせいじゃないですか・・・。」
「あっはっは!まぁ解決したからいいじゃないかw
まーせっかくだし飲むか!」
「・・・はい。」
ごくごくごく・・・
「でも何で神姫、ここに俺達が来るのが分かったんだろう・・。」
「ここがバラ園から近いからじゃないか?」
「でも何かおかしい気が・・・。」
「まぁまぁ、さて、これからどう・・・」
何かを言いかけて白幡が突然ふらついた。
「白さん、どうしたんですか・・?」
ばたっ
白幡は倒れてしまった。
「え?何故だ?し・・・」
ばたっ
シルレイズもまた倒れてしまった・・・。
―
「ん・・・・俺達一体・・・あ、シルは?!」
「・・・・白さん・・・って・・」
お互いを見るとなんと・・・。
「「戻ってる?!」」
二人の目に映るのは
お互いシルレイズに白幡だ。
「お、俺達何かやったか?」
「もしや・・・神姫の栄養ドリンク・・・?」
「ま、まさか・・・。」
「実際にはありえないが・・・
きっと俺達がこうなってしまった成分が入っていたんじゃないか?」
「まぁどっちにしろ神姫には感謝しないとな。」
「だが・・・何か引っかかる・・・。」
と言ってシルは考え始める。
白幡も考えてみるが特に思いつくものは無い。
考えるのを諦め(早っ
明日敦盛にどんな言い訳をしようか考えめぐらせるが、今日はとりあえず帰ろうと思いつく。
「じゃあ俺はそろそろ行くから。神姫にお礼を言っておいてくれ。」
「言いますけど、会った時にちゃんと自分からお礼言ってくださいね?」
「ああ!」
多少の疑問を抱えつつ、
二人はいつもどおりの朝を迎えたのであった・・・。
―
執務室に向かう白幡・・・。
「!先生」
「敦盛・・・昨日はすまなかった・・・。」
「先生・・私の気持ち分かってるんですか・・?」
「ああ・・・すまない。
少し悩み事があってつい敦盛に当たってしまったんだ・・・。
でも解決した。許してくれ!」
「せ、先生・・・w」
がばっ、と白幡に抱きつく敦盛。
「私こそごめんなさい!
先生が悩んでいたのに気付かないなんて・・・私・・・。」
「い、いやいいんだ敦盛!俺こそ本当に悪かった!!」
「先生・・・」
涙目の敦盛を抱きしめつつ、安心した白幡だった。
―
一方
神姫の部屋に向かったシルレイズ。
「お、おはよう神姫・・・。」
「あ、シルおはよう・・・・w」
「あの・・・神姫・・・」
「シル、ごめんなさいっ!」
「・・・は?」
「あのね。あの場面見たけどシルはそんな事しないって信じてるから!ごめんね!
昨日調子悪かったからあちゅに寄りかかっちゃっただけだよね!」
「え?待て、神姫。」
「ん?」
「赦すも何も・・・それより、昨日食堂に置いてあった栄養ドリンク・・・」
「栄養ドリンク?何それ?」
「え?だが神姫ってメモに書いてあったが?」
「へ?私知らないよ?」
「は・・・?」
―
「ふふふ・・・協力ありがとう・・・w」
「・・・。」
「この―・・・同じ―は成功・・・。」
「・・・。」
帝国のとある部屋。2つの影・・・。
「さて、次はどうしようかしら?」
To Be Continued…?
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